フッ素(フッ化物)が配合された歯磨き粉も多数販売されていますし、検診で希望者にフッ素塗布を行っている自治体も多いです。「フッ素が歯に良い」ということは、一般的となっています。
フッ素が歯に与える影響は、数十年に渡る研究に基づき有効性や安全性が証明され、現在では世界中で利用されています。
ここでは、フッ素の歯を強くする効果、そして危険性、効果的な利用開始時期などを紹介していきます。
フッ素には虫歯から歯を守る、次の3つの効果があります。
虫歯菌の作り出す酸は、歯を溶かして虫歯を作ります。
フッ素には、虫歯菌の働きを抑える効果があり、虫歯菌が作り出す酸の量を減らすことで、虫歯を防ぎます。
歯の表面に「ルオロアパタイト」や「フッ化ハイドロキシアパタイト」を作り、虫歯菌が作り出す酸への抵抗力を強くします。
再石灰化とは、虫歯菌が作り出す酸によってダメージを受けた歯の表面(エナメル質)が、唾液中のミネラルによって修復されることを言います。
歯には、一度虫歯になりかけても、治癒する働きがあるのです。フッ素には、この再石灰化の働きを促進する効果があります。
フッ素の効果で虫歯を予防する方法には、次のようなものがあります。
A1
「フッ素塗布はいつから始めたら良いのですか?」という質問を受けることがありますが、フッ化物の歯面塗布は、歯(乳歯)が生え始める1歳前後から始め、年2~3回定期的に行うことが必要とも言われています。
しかし、フッ素には少なからず副作用があるため、開始時期に対する考え方は歯科医師によってさまざまだと言えるでしょう。
フッ素塗布を行うことで、「(子供の)親が安心してしまう(お菓子を与えすぎるなど、虫歯に対する意識が甘くなる)」という問題点があるとの指摘もあります。確かに、フッ素塗布の虫歯予防効果は認められていますが、虫歯にならないような生活習慣を身に付けることも大切なことです。
フッ素の虫歯予防効果だけでなく、危険性についても理解して、フッ素塗布の開始時期を検討すると良いでしょう。
大人の歯は、生えたばかり歯に比べてずっと硬いです。これは、唾液に含まれているミネラルによって、歯が徐々に硬くなっていくためです。
フッ素には、虫歯予防だけでなく、歯を硬くする作用もあるため、歯がまだ硬くなっていない、生えたばかりの乳歯・永久歯は、虫歯になりやすい状態となっているため、フッ素塗布により虫歯を防ぐことは有効です。
A2
フッ素を過剰に摂取すると、急性中毒症を起こす可能性があります。
しかし、適切にフッ素を使用していれば、中毒症を起こすことはありません。フッ素中毒症が起きると、吐き気や腹痛などの症状が起こります。
フッ素洗口剤を使用した場合、誤って飲み込んでしまったとしても、適切な量を使用していれば問題ないでしょう。
しかし、うまくうがいができない(吐き出せない)1~3歳で、日常的にフッ素洗口を行う場合には、注意が必要でしょう。
A3
大人のフッ素塗布は、予防歯科で行っている場合がありますが、扱っていない医院が多いというのが実状でしょう。
また、フッ素塗布は保険が適用となりませんので、料金は歯医者によって異なります。
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